IJU COLUMN

HELLO, LOCAL LIFE!

2021.03.22

僕たちがイジューハウスを立ち上げた理由 〜その4:地方創生の側面から豊かさを考える〜

 

このコラムでは、私たちがイジューハウスを立ち上げた理由の3つの側面から「地方創生の側面から豊かさ」を取り上げて、書いていきたいと思います。ぜひ、地方での住まいをお考えの方は住まうことの豊かさとイジューハウスの意味について考えてもらえたらと思います。

 

「地方創生とまちづくり」

地方創生やまちづくりとはどういったことを言うのでしょうか?

もっと目線を広げれば、まちづくりと空き家の再活用、長屋再生などのキーワードも混合されがちです。たしかにそれぞれは親和性がありながらもワードが混合されることで、再生=まちづくり=地域創生になるという誤認を生んでいるように思います。
ここでは、地域創生は「街全体の様々な問題を解決すること」、まちづくりは「施設の再生や建設などを通じて街に住む方々の意識を向上すること」を目的として考えることにします。

人間の豊かさとは色々な物差しがありますが、地域創生・まちづくりに共通するのは、街を構成する人たちが出来る限り街への活動に参加し、課題設定、ソリューション立案、実行、結果のフィードバックといったビジネスと同じサイクルを運用していくことを通じて、相互扶助や積極的参加を促し、皆が「街を日常的に意識できている状態」になっていくことが望ましいと考えています。

だから、まちづくりという言葉のように誰かがつくる街に住むというあり方ではなく、街の雰囲気、ルール、未来を自分たちが考えている・自分たちが参加してつくっているのだというマインドを育てていく必要があるように思います。

 

 

「地方創生とまちづくりを並行して行うことの重要性と、それを外に開くことの重要性」

地方創生の目的である「街の課題を解決」しながら、まちづくりの目的である「街に居住する人達の意識向上」は並行して行う方が効果は見込まれると考えられ、都心よりも地方の方がとてもこの両者が近いところにあると感じます。
理由としては、単純に都心では不自由なく暮らせるので、危機感が薄く、対して地方ではそうは言ってられないからです。

そして、最近気になるのは多くの自治体が自治体内で問題を解決しようとしている点です。
これは企業同士でも言えることですが、問題や課題は多くが共通しています。他社の人と話していても同じような課題を持っていると思うことも多々あります。自治体でもそうです。こういう時に効果的なのは、真反対の人や会社の意見を参考にすることです。そう考えると都心と地方は真逆です。人口、交通網、産業も違えば、人の性格や価値観までも違う場合も多々あります。

自治体という枠を一度右において、とにかく問題を抱え込まずに都市と地方で得意・不得意の交換を積極的に行えると地方も活路が生れやすいのではないかなと思います。

 

 

「地方創生とイジューハウス」

イジューハウスは、地方での住まいづくりを通じて、その街のヒトやコトも繋いでいきたいと考えています。

住まいの計画〜完成まで、新築では1年、全面リフォームでも半年以上必要となるため、計画先のエリアのコトやヒトも深く調査・観察し、関係を育むことを目指しています。住まいづくりは良くも悪くも周辺環境やコミュニティに影響を与えますので、移住される方々よりも先に街とつながり、そのバトンを渡す存在になれたらと考えています。移住される方々の今と未来を繋ぐことに加えて、移住先の環境やコミュニティを緩やかにつなぐことも目標としています。

この緩やかさが移住後の生活をスムーズにしてくれることを願ってやみません。

移住されたい方々がお持ちである都市部の知見や技術を地方でも積極的に出してもらえる環境を整え、私たちも積極的に地方と関わることで、都市と地方の間を私たちなりに編集し、まちづくり・地方創生に貢献できたらと考えています。

 

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この投稿まで、私たちがイジューハウスを立ち上げた理由を書いてきました。私たちと共に地方に移り住むことを丁寧に計画し、移住先の環境やコミュニティへも配慮されたい方々からのご依頼を心からお待ちしています!

 

text &photograph : 吉松宏樹